弊社のアプローチと専門知識
神経学の研究に対する弊社のアプローチは、神経疾患に対する理解を深め、効果的な治療法を開発するという使命によって推進されています。神経疾患に対する新たな介入や治療法の開発を支援するために、科学的専門知識、革新的な技術、グローバルな対応力を統合した包括的かつ学際的なアプローチを採用しています。
筋萎縮性側索硬化症 (ALS)
ALSの症状や合併症の管理が飛躍的な進歩を遂げている中、パレクセルはこの分野における画期的な取り組みを行うお客様をサポートすることに重点的に取り組んでいます。確立されたケア提供システムを通じて患者さんを臨床試験に結び付けることで、弊社は医師がより多くの治療オプションを提供できるよう支援し、治験参加者の障壁を取り除き、十分なケアを受けていないコミュニティとのつながりを構築しています。
パレクセルは最近、ALSの患者さんを対象に試験薬の有効性、安全性、耐容性を評価するためのプラセボ対照第II相試験をフルサービスで実施しました。 個別に調整された募集および維持戦略により、10ヵ国80ヵ所以上の施設で458名の患者さんを登録。 パレクセルはスポンサーや施設と協力し、データの完全性を確保するための厳格な品質管理基準を適用しながら、この複雑な試験を12ヵ月以内に行いました。主要評価項目および主要な副次評価項目はすべて統計的に有意な結果となり、この画期的な試験はALS研究における方法論、デザイン、運用面での前例となりました。
パレクセルは患者支援団体、有力な研究機関、専門家と協力し、コミュニティセンターや大規模な学術研究センターを含む施設と連携して、患者さんとそのご家族に新たな治療法を提供しています。患者さんの負担を軽減するために、ALSの患者さんを対象とした分散型臨床試験(DCT)ソリューションを適宜統合しています。これには訪問診療や遠隔医療、電子患者報告アウトカム機器やセンサー、リマインダーなどが含まれます。
弊社は30ヵ国以上で1,500名以上の患者さんを対象に、ALSの研究、第I相から第IV相(ヒトでの初回投与を含む)を実施しており、現在150以上の施設で進行中です。
デュシェンヌ型筋ジストロフィー (DMD)
症状を管理し、疾患の進行を遅らせる治療法を見つけることが、私たちのチームの願いであり、科学者たちがこの衰弱性の疾患の治療法を研究し続けている理由でもあります。 弊社は多数の施設で数百名のDMDの患者さんと協力してきた経験を活かし、あらゆるプロジェクトに反映させ、DMD試験のエンドポイントを保護するためのベストプラクティスを導入しています。 これには総合的なテクノロジープラットフォームに支えられた徹底的な評価、サンプル収集、画像診断などが含まれます。
私たちは科学的リーダーシップ タスクフォースと日々協力し、研究者のフィードバックを活用して革新的な研究デザインやプロトコルの最適化を実施し、患者支援団体とも提携しています。専門のDMDベンダーとの提携により、これまでのインサイトを臨床試験の実施全体に適用し、業務効率を向上させることができます。弊社のすべての機能と標準業務手順書は、Parexel Academyの希少疾患認定プログラムによってさらに強化されています。
2023年にFDAが承認した初のDMDの男児に対する遺伝子治療への貢献を私たちは誇りに思っています。パレクセルはこのプロジェクトを第I相から第III相まで実施し、主要評価項目において統計的に有意な結果を導きました。
弊社は4つの遺伝子治療プロダクトを通して、700名以上のDMDの患者さん、100以上の施設と協力してきました。
てんかん
てんかんは世界的に最も多い適応症のひとつであり、新たな発見、治療承認、新技術が間近に迫っています。私たちはてんかんを抱える患者さんのための新たな治療法において、信頼されるパートナーになることを目指しています。
ソリューションを提供するために、戦略的パートナーと定期的に連携しています。最近ではてんかん研究コンソーシアム (TESC)と協力し、試験基準を満たす典型的な長時間発作の患者さんを特定するためのトレーニングと、実施医療機関向けのガイドラインのベストプラクティスを開発しました。この国際共同治験では、対象を絞った募集戦術を用いて、北米、欧州、および中国を含むアジア太平洋地域の160名以上の患者さんを登録。ビデオ脳波 (V-EEG)機器、トレーニング、サポートを提供する戦略的ベンダーと提携して、治験参加者の募集を行いました。
弊社の医療チームは、米国のトッププログラムで学術的なトレーニングを受けたてんかん患者のケアにおける臨床実践の第一人者で構成されています。てんかん性脳症などの稀な疾患にも豊富な経験があり、ヒトを対象とした臨床試験を含むすべてのフェーズのプロジェクトを実施しています。
私たちはステークホルダー、研究者、患者支援団体、および主要なオピニオンリーダーと関わり、推奨事項の変化を監視するための科学的・医学的コミュニケーション戦略を提唱しています。これらの情報源は、弊社のプログラムに参加する医療過疎地域の患者さんの拠点の特定に役立っています。てんかんプログラムにおける私たちの優先事項は、患者さんと施設の負担を軽減するために、訪問診療の必要性と遠隔患者管理の利点をバランスさせることです。
弊社は世界中で3,500名以上の患者さんと、500の施設が関与するヒトを対象としたすべてのフェーズにわたる臨床試験の研究に取り組んできました。
メモリーケア (アルツハイマー病、認知症)
パレクセルはメモリーケアのリーダーとして確固たる評価を得ており、臨床試験のデザインに患者さんと介護者の声を反映させることを重視する理念を掲げています。患者さんに焦点を当てるという姿勢は、臨床試験の成功だけでなく、対象者の特性から困難を極める治験参加者の募集においても基本となります。弊社のチームは、健康な高齢者におけるアルツハイマー病のバイオマーカーの早期発見や、臨床試験への参加をより容易にするためのベストプラクティスにおいて、最先端の取り組みを行っています。
私たちのスタッフには、アルツハイマー病、各種認知症、ハンチントン病、その他の希少疾患の専門家が揃っています。弊社の神経科医チームは、医学的専門知識だけでなく、学術、臨床、製薬の各分野での経験も豊富です。
弊社はメモリーケアのための高度な治療に焦点を当てた重要な第Ⅲ相試験を実施しました。この試験は軽度認知障害の患者さんを対象に、プラセボと比較したアルツハイマー病の進行の遅延を評価することを目的としたもので、800名以上が参加しました。私たちはパートナー企業と緊密に協力し、小グループを対象とした影響度の高い評価(腰椎穿刺の反復、PETスキャン、MRI)を実施し、スクリーンエラーの低減と腰椎穿刺の必要性を最小限に抑えるためのソリューションを考案しました。これらのパートナー企業は、試験開始を加速するための評価者トレーニングに大きく貢献しました。
近年、私たちは第I相から第IV相までのフルサービスの試験を実施し、世界中の数千の施設で9,000名以上の患者さんを対象に業務を行っています。
重症筋無力症 (MG)
従来の治療法には副作用や症状の不十分なコントロールなど限界があるため、重症筋無力症の新たな治療法が求められています。パレクセルはMGの治療法開発に深く関与しています。臨床開発戦略の指針となるのは、評価者の一貫性、データの安定性、そして世界規模での統一された実施です。
MGは非常に複雑であり、多くの患者さんやご家族の試練は、診断を受ける前からすでに始まっています。診断が下されると、次に患者さんにとって最善の治療法と、最善のケアの提供方法について検討されます。パレクセルの患者インサイトチームは、臨床研究の計画されたプロトコルの複雑性を評価し、この疾患を抱えながら生活する負担を理解するために、MG患者のフォーカスグループを実施し、患者さんのフィードバックを収集。介護者の支援を強化するためのソリューションを考案し、充実した科学的資料、柔軟な訪問、コンシェルジュ ソリューションを提供しました。 多発性硬化症に苦しむ人々の現実を重視するこのアプローチは、弊社の取り組みに役立っています。
パレクセルは全身型MG患者さんを対象としたフルサービスのグローバル第III相試験を実施しました。 この試験には200名の患者さんが参加し、6週間の治療期間の後、52週間の非盲検延長試験 (OLE)が行われました。評価の一貫性を確保するため、治験実施施設では少なくとも2名の治験スタッフが割り当てられ、臨床評価のトレーニングを実施。施設からの要求が高く、患者さんの移動経路のカスタマイズが必要であったため、通常よりほぼ2倍となるスタッフを動員し、試験は予定よりも早く完了しました。
パレクセルは多発性硬化症の治療法開発に深く関与しており、50ヵ国以上の250の施設で、1,200名以上の治験参加者を対象に第I相から第IV相までの試験を実施しています。
パーキンソン病 (PD)
治療の画期的な進歩とケアの改善により、パーキンソン病と向き合う人々に希望がもたらされています。 パレクセルではパーキンソン病の早期診断と、進行を遅らせる可能性があるバイオマーカーの特定に関する研究の推進に専念しています。弊社のスタッフには、この分野で多数の論文を発表しているオピニオンリーダーが在籍しており、このリーダーシップは臨床試験の業務にも反映されています。
現在、私たちは高精度の投与を伴うパーキンソン病の細胞・遺伝子療法に取り組んでいます。このような非常に複雑な治験では、医療、規制、ゲノム、生物統計学の専門家による早期の助言サービスと、多分野にわたるチームおよび主要な技術パートナーシップを組み合わせます。
また別のプロジェクトでは、運動障害の研究におけるベストプラクティスを特定するための第Ⅲ相試験のグローバルプログラムを実施しました。この研究の基本は、パーキンソン病の運動症状とコンプライアンスに関する長期的評価でした。電子日記に対する患者さんと介護者の抵抗感を克服するために、私たちはカスタマイズされた教育資料を使用し、フォローアップのためのコンプライアンス対策チームを結成。テクノロジーによって複数のセンサーを1つの装着型デバイスに統合させ、これにより患者さんの自宅での動作を評価し、情報を直接収集することが可能になりました。エンドポイントの収集により、有効性に関する主要データが得られ、これが規制当局の承認へとつながりました。
弊社の臨床試験では、50ヵ国以上の数百の施設で、6,000名以上の治験参加者を対象としたフルサービスの試験を実施しています。
外傷性脳損傷 (TBI)
外傷性脳損傷 (TBI)の治療のための臨床試験を実施するには、試験実施施設の特定と選定のための包括的な戦略が必要であり、試験開始と患者さんの経路の複雑性を十分に理解していなければなりません。同様に重要なのは、診断と治療の種類に関する豊富な経験であり、患者さんと介護者を支援し、試験体験を向上させるという取り組みも必要です。
TBIの症例登録は、主に治験実施施設との関係に依存しています。そのためパレクセルは、世界中の病院やリハビリテーションセンターで神経学に精通した臨床試験責任医師のネットワークを維持しています。このアプローチは有能な施設を特定するために、外部データソースによって補強されています。弊社は米国脳損傷協会や脳震盪啓発協会などの患者支援団体と緊密に連携し、TBI患者の特定、募集、支援に関するベストプラクティスに取り組んでいます。
弊社の戦略には、患者さんが到着した際に病院内のチームに迅速に連絡する方法について、現場スタッフに周知するためのプログラムも含まれています。その後の段階では、コミュニケーションが重要となります。私たちは試験実施施設のスタッフ、患者さん、ご家族、法的代理人向けに、インフォームドコンセントを支援し、あらゆる質問に明確かつ詳細に回答するためのオンラインツールや、印刷資料を提供しています。
弊社の経験は、脳炎、脳梗塞、新生児の脳障害を対象とした救急外来での試験にまで及びます。この業務には、救急外来への到着からトリアージ、初期診断、回復、在宅治療、経過観察に至るまでの患者さんの経過を総合的に調整することが含まれます。さらに私たちは吸入および経鼻投与製品の分野でも豊富な専門知識を有しており、実薬群とプラセボ群による無作為化試験を実施しています。鼻腔投与製品の試験では、試験全体にわたるデバイスの標準化、患者さん、介護者、看護師、および施設スタッフへのトレーニング、正確なデータ収集、規制当局への完全なコンプライアンスを実施しました。
弊社のチームは、15ヵ国100ヵ所の施設で1,000名以上の患者さんを対象とした試験を実施してきました。これには第I相から第IV相試験における成人および小児の集団が含まれます。