私たちのアプローチと専門知識
パレクセルでは患者さんの視点に立って、その道のりを理解することに努めています。 精神疾患を抱えながら生活することは、時に孤立感やフラストレーション、トラウマを伴うものであり、診断を受けずに何年も苦しんでいる方も多くいます。 そのため、精神医学の臨床試験における参加者募集プログラム、実施医療施設の選定、試験デザインは、戦略的かつ慎重に策定されなければなりません。またエンドポイントも厳重に保護されるべきものです。そうすることによって参加者を惹きつけ、治験への参加を継続してもらい、期待に応えることができるのです。
患者支援団体との緊密な連携により、患者さんと介護者のニーズや負担を軽減する方法を理解し、精神科の臨床試験の機会に対する認識を高め、ステークホルダーに教育を行うことができます。 弊社は積極的かつ慎重に調整された試験監督、データ監視、品質管理を通じて、試験のエンドポイントの品質と一貫性を確保しています。
パレクセルはその目的を達成するために、神経科学の分野で世界的に著名なリーダーを何人か迎え入れ、精神疾患の治療法開発をライフサイクルのあらゆる段階でサポートしています。 弊社の認定精神科医 (小児精神科医を含む) は、生物統計学者や規制の専門家と協力して業務を行っています。弊社の経験には、統合失調症の陰性・認知症状、治療抵抗性うつ病、急性期および安定した患者集団の研究など、深刻なアンメット メディカル ニーズをターゲットとする新規治療法の使用が含まれます。 さらにパレクセルの専門分野には、摂食障害、神経発達障害 (ADHD、自閉症)、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)、人格障害が含まれます。
弊社はプラセボ反応の軽減、精密精神医学、幻覚剤、認知能力テスト、服薬アドヒアランス ソリューション、独立評価者による中央評価、評価者のオフサイトモニタリング、向精神薬のラボ スクリーニング レベルなど、深い専門知識を有しています。
気分障害
大うつ病性障害 (MDD)、治療抵抗性うつ病、双極性障害は、これらの疾患に苦しむ患者さんに革新的な治療がもたらされつつあるため、パレクセルの臨床研究においても非常に活発な分野です。これにはドーパミン受容体アゴニスト、ヒドロキシトリプタミン受容体モジュレーター、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤などがあります。
弊社が手がけたプロジェクトの中でも、特に困難を極めたものの1つに、日本における大うつ病患者を対象としたプラセボ対照第II / 第III相試験およびロールオーバー試験の実施があります。この試験には1,000名以上の患者さんと、150カ所以上の施設が関わり、厳格なプロトコルの適格基準と除外基準には、9つの尺度が含まれていました。新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)のパンデミック中に実施されたこの試験では、高い脱落率と評価者認定の遅延に直面しました。 こうした障害にもかかわらず、予定より17日早く最後の患者登録を達成し、データベースのロックは予定より2ヵ月早く実施されました。 成功の要因としては、患者登録データベースの充実した施設との強固な関係、プラセボ反応トレーニング、適格性チェックリスト、および厳格な事前スクリーニング アンケートが挙げられます。
弊社は過去5年間で、気分障害に関する60以上の研究を実施しました。これには大うつ病、治療抵抗性うつ病、双極性障害/躁病、不安、産後うつ病など、あらゆる研究段階における研究が含まれます。
薬物中毒と薬物乱用
薬物中毒は個人だけでなく、地域社会やご家族にも影響を及ぼします。多くの患者さんが再発、離脱、過剰摂取に苦しみ、服役後の生活を安定させることに苦労する人もいます。オピオイド使用障害、ニコチン中毒、アルコール中毒の治療に新たな治療法が登場したことで、世界中の人々に救いをもたらしています。パレクセルは、κオピオイド受容体拮抗薬、腫瘍壊死因子α作動薬、神経ニコチン受容体作動薬など、この分野において豊富な経験を有しています。
オーストラリアで実施した第III相試験(患者数120名、6施設)で実証されたように、治験実施施設との連携がこれらの試験の実施には不可欠であると私たちは考えています。このケースでは、患者さんがクリニックに決められた時間に来院することが極めて重要でした。この試験は、リソースに制限のある多忙な教育病院で実施されました。しかし、パレクセルは当初の予測よりも17%多い登録患者数を確保し、脱落率も低く抑えることに成功。最終患者登録は予定より1ヵ月早い5ヵ月以内に達成しました。
弊社は過去5年間で、世界中の地域で依存症に関する16件の試験を実施し、5,000名以上の患者さんと120の施設が関与しました。
統合失調症
弊社のこれまでの経験から、統合失調症の患者さんとそのご家族は、副作用の少ないより良い治療法を求めていることが明らかになっています。そのため、自身や他の患者さんにとって有益な方法として、臨床試験への参加に前向きな姿勢を見せることが多いのです。パレクセルは統合失調症の治療における近年の多くの進歩の最前線にあり、ドパミン受容体アゴニスト、グリシン輸送体阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤、オピオイド受容体拮抗剤などの治療クラスに取り組んでいます。
弊社のロサンゼルス早期臨床試験部門では、複数の試験(統合失調症、統合失調感情障害、または統合失調症に伴う認知機能障害の治療を目的とした化合物を用いた第I相から第IIb相試験)において、約210名の健常ボランティアと120名の統合失調症患者を登録しています。 専門的な評価には、認知機能および精神運動機能検査、患者さんによる結果報告、臨床評価尺度などが含まれます。弊社の能力には、腰椎穿刺による単回採取と、カテーテルによる連続採取を含む、高度な神経画像診断や脳脊髄液採取が含まれます。
弊社は過去5年間で、1,900名以上の患者さん (入院試験を含む) を対象に、96の施設と20ヵ国で、20件以上の統合失調症に関する試験を実施してきました。